政治学入門

作者

土井翔平

公開

2024年7月24日

はじめに

政治学入門のうち土井翔平が担当する講義の資料です。2024年度は以下のセクションを担当します。

  • 第1回:ガイダンス
    • 政治学とはどのような学問なのか?
  • 第2-5回:比較政治
    • 選挙のルール
    • 有権者から見た選挙
    • 議員・政党から見た選挙
  • 第12-15回:国際関係
    • 民主主義と権威主義
    • 政府なき国際社会
    • 戦争と平和の原因
    • 国際政治経済における協調

成績評価

土井の授業に関する成績は小テスト平常点をもとに評価します。

  1. 平常点は授業に関する質問や発言が主です。
  2. 小テストは1,2週間に1回を目安に行います。
    • Moodle上で行います。
    • 授業の内容に基づいて出題します。
      • 授業を真面目に聞き、ノートを取っていれば回答できる(受講せずに講義資料だけを見ても回答できない)難易度を目指します。
    • 具体的な出題範囲や回答期間などは授業中に改めてお知らせします。
      • 原則として、翌週の月曜日から木曜日の10時半(次回授業開始時)までを回答期間とします。

連絡

土井の授業に関して質問したいときは授業中や授業後に直接話してください。授業時間外はメール、質問箱、Twitter(現X)のDMもしくはメンションで受け付けています。

  • これらは平常点として加点するので、質問する際は名乗ってください。質問箱やTwitterで匿名で質問する場合は何かしらの形で土井に氏名あるいは学生番号を伝えてください。発言者が分からない場合は加点できません。
  • 土井の研究室は法学部棟609号室です。アポイントメント無しで訪問しても構いません(その時に研究室にいてお相手する時間があるかは分かりませんが)。

参考書(国際関係)

特定の教科書を用いないが、自習のためにいくつかの参考書を紹介する。国際関係論のテキストは多種多様なので、ぜひ読み比べて欲しい。

  • なにから読めばよいか分からない初学者の方は、まず 砂原, 稗田, と 多湖 (2020)坂本 と 石橋 (2020) など政治学の入門レベルの教科書の中の国際関係に関する箇所を読むことを勧める。その後、 村田 ほか (2023) など国際関係論の入門レベルの教科書を読むとよい。
  • 身近な日本の話題から国際関係や国際法へ入門するものとして 佐藤 ほか (2018)森川 ほか (2016) などがある。
  • 既に国際関係論を学んだことがある人は 中西, 石田, と 田所 (2013)山影 (2012) など が発展レベルの教科書としてある。また、発展レベルの政治学を扱う 久米 ほか (2011) の国際関係に関する箇所も読むとよい。
  • 国際関係の重要な知識をまとめたものとして 田中 と 中西 (2010) は辞書的に使うことができる1
  • 国際関係論を本格的に学習したい人は英語のテキストとして Frieden, Lake, と Schultz (2019) などに挑戦することを勧める。

国際関係論を直接扱うものではないが、この授業を理解する上で重要な周辺知識に関する参考書も挙げておく。

  • 国際関係を理解する上で国際政治史、国際法、比較政治の知識は不可欠である。これらについても多くのテキストがあるが、入り口としてそれぞれ 小川, 板橋, と 青野 (2018)玉田, 水島, と 山田 (2022)久保, 末近, と 高橋 (2016) を紹介する。
  • 国際関係の一つの見方としてゲーム理論2がある。ゲーム理論を用いた政治学の入門レベルの教科書として 浅古 (2018) がある。また、 岡田 (2020) はゲーム理論を用いた国際関係論のテキストである(ただし、やや難易度は高い)。
  • 国際関係をはじめ、様々な社会現象に関して原因と結果を検証する方法として統計的因果推論がある。入門レベルの教科書として 中室 と 津川 (2017), 伊藤公一朗. (2017), 松林 (2021) などがある。事例分析の方法としては 久米 (2013), 伊藤修一郎. (2022) などが参考になる。
引用方法

技術的な問題から、講義ノートにおける引用方法は適切ではないので、レポート執筆などにおいて参考にしないこと。学生便覧の「引用の仕方」などを参照すること。

Frieden, Jeffry A, David A Lake, と Kenneth A Schultz. 2019. World politics: interests, interactions, institutions. WW Norton.
中室牧子, と 津川友介. 2017. 「原因と結果」の経済学 : データから真実を見抜く思考法. ダイヤモンド社.
中西寛, 石田淳, と 田所昌幸. 2013. 国際政治学. 有斐閣.
久保慶一, 末近浩太, と 高橋百合子(政治学). 2016. 比較政治学の考え方. 有斐閣.
久米郁男. 2013. 原因を推論する : 政治分析方法論のすゝめ. 有斐閣.
久米郁男, 川出良枝, 古城佳子, 田中愛治, と 真渕勝. 2011. 政治学. 補訂版. 有斐閣.
伊藤修一郎. 2022. 政策リサーチ入門 : 仮説検証による問題解決の技法. 増補版. 東京大学出版会.
伊藤公一朗. 2017. データ分析の力 : 因果関係に迫る思考法. 光文社新書. 光文社.
佐藤史郎, 川名晋史, 上野友也, と 齊藤孝祐. 2018. 日本外交の論点. 法律文化社.
坂本治也, と 石橋章市朗. 2020. ポリティカル・サイエンス入門. 法律文化社.
小川浩之, 板橋拓己, と 青野利彦. 2018. 国際政治史 : 主権国家体系のあゆみ. 有斐閣.
山影進. 2012. 国際関係論講義. 東京大学出版会.
岡田章. 2020. 国際関係から学ぶゲーム理論 : 国際協力を実現するために. 有斐閣.
村田晃嗣, 君塚直隆, 石川卓, 栗栖薫子, と 秋山信将. 2023. 国際政治学をつかむ. 第3版 版. 有斐閣.
松林哲也. 2021. 政治学と因果推論 : 比較から見える政治と社会. シリーズソーシャル・サイエンス. 岩波書店.
森川幸一, 森肇志, 岩月直樹, 藤澤巌, と 北村朋史. 2016. 国際法で世界がわかる : ニュースを読み解く32講. 岩波書店.
浅古泰史. 2018. ゲーム理論で考える政治学 : フォーマルモデル入門. 有斐閣.
玉田大, 水島朋則, と 山田卓平. 2022. 国際法. 第2版 版. 有斐閣.
田中明彦, と 中西寛. 2010. 新・国際政治経済の基礎知識. 新版. 有斐閣.
砂原庸介, 稗田健志, と 多湖淳. 2020. 政治学の第一歩. 新版. 有斐閣.

  1. ただし、やや古いので注意。↩︎

  2. ゲーム理論自体はミクロ経済学の一分野である。↩︎